そして引きこもる

世の中が穏やかでない。今までも決して平穏ではなかったが。。。良きにつけ悪しきつにつけ様々な情報に溢れている今、自分が必要とする事だけ取捨選択するのは容易ではない。いや、本当に必要とする真実は最早そんな情報の中にはないのかもしれない。

 

日本に帰ってから本の選択の幅が増え、再び手にする時間が多くなった。

出張古書屋の棚で偶然見つけた貴重な 一冊。柳田邦男をして「 日本人の極限の可能性」と言わせた南方熊楠。近年、「エコロジー」成る言葉が使われるようになったが、百年以上も前に、既にこの言葉を用い森林伐採に対する自然保護を訴えた。植物学者でもあり、民俗学、文学にも通じ、その溢れる知識は留まる事がなく、また一番人々を惹きつけたのは、彼自身の生き方であった。

昨今熊野古道世界遺産に登録され、再び存在が脚光を浴びるようになった熊楠だが、案外生前出版された本は少ない。没後様々な人物による彼を語った本が出版された。これもその一冊。彼が書いた書以上に彼の事がわかるようになっている。

 

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しかしこの古書屋思わず「うーん…」と唸る本が多い。渋い本ばかり引っ提げて来るので、思わず笑ってしまう。店主はさぞかし面白い人だろう。時々イベントもやっている。そのテーマも「  古墳を語る 」、「  あなたの好きな戦国大名 」等、店主のセンス独走の企画で何とも楽しそう。機会があれば、是非参加してみたいものだ。