そうだ出雲へ行こう ②
お賽銭に見合わない長いお祈りをしてしまい、大社を後にした時にはそろそろ
夕陽も落ちようかと言う時刻。これから宿に向かう旨告げると、
「 ○○号線で来て下さいね。 」と宿屋の主人からの念押しが。
そうですか、と頷きつつナビに従い走らせる。
出雲大社近くから車で15、20分の所にある立久恵峡、「 御所覧場 」。
絶景の宿と言われており、非常に楽しみにしていた。早く着いたら散歩でもしたいと思っていた。
ところがナビに従い行き進むと、段々人気のない道になり、しまいには峠の入口に差し掛かっていた。入り口横には、
「 危険。道が狭くなっているので ○○号へ迂回して下さい。」の看板が。これか、主人がわざわざ念押ししてくれた理由は。と、ここに来て理解する。
でも、ここまで来てしまった。。。引き返すのも面倒臭い。きっと宿はこの上に違いない。道が狭く、グルグルの道なら鹿児島でも慣れている。と、根拠のない自信と軽い気持ちで峠超えすることに、、、、した。
が、直ぐに後悔することになった。
道は登ると直ぐに狭くなり、また前日の雨で落ち葉が道路を覆い尽くしていた。
路肩との境目がわからない。運転を誤ると崖側に落ち兼ねない。
さらには陽も暮れたのも関係あるが、それだけではない、山を上り進む度に闇が辺りを包んだ。。。。どこまで行くのか?ナビの到着予定時刻は予定の10分より、また1分更に5分と次第に延びていった。漆黒の中、非常に心細く、恐怖心だけが募っていった。
しかし、とうとう最悪の事態が!ナビの道筋が途端に消えてしまったのだ。こんなことあるのだろうか。今まで指し示されていた道筋案内が消え、ナビ自体が真っ黒になってしまったのだ。緊張と不安で心拍数MAX。この先どうすればいいのか?引き返すべきか?進むべきか?でも、もう半分以上来てしまっていた。・・・仕方がない、このままもう暫く走らせて様子を見てみよう。。。?
ドキドキしながら進み暫くすると幸いなことに峠も登りきり、後は下り道が続いた。このまま何処かに下りて合流しそうだ。下に降りるに連れ視界も明るくなってきた。。。。ホッとした。
やっと下界に降りてきた。あぁどれ程安心したか。
下りて合流した先は先程途中で通った道だった。。
それから主人のアドバイス通り、○○号線に乗り、宿に着いた時にはもうドップリ陽がくれていた。宿はあの峠とは全く逆の方向だった。
宿の人の話しによると、私達だけではない。ナビは何故かあの峠の方に案内し、多くの宿人を迷わせていた。先週など崖から車が落ちたと言う。
何故あの峠に案内するのかはわからないと言う。。。
今でもあの時の事を思い出しても、ドキドキする。一体何だったんだろう?
それは「 妖怪の仕業です。」
・・・・やっとの思いで着いた宿は、間違いない「 絶景の宿 」だった。
部屋からの眺め。夜はライトアップしており幻想的。
朝の露天風呂。最高~
宿の廻りの遊歩道を散歩する。
岩肌に現れる羅漢像。
朝霧に包まれた立久恵峡は張り詰めた空気の中、凛として神秘的な雰囲気を醸し出していた。
紅く染まった葉先の朝露が光の反射で、キラキラ輝き私達に信号を送っているかのよう。
大社での有難いパワーを峠で消耗したが、この宿屋で、この立久恵峡でまた神聖なパワーが補填された。